田中文金属の実力を感じる一台。安全に火を楽しめるTabストーブ缶SEレビュー
突然ですが、皆さん、焚き火していますか?
海をぼーっと眺めたり、焚き火の炎を見つめたりする時間は、現代人にとって本当に必要なひとときだと感じます。
スマホを置いて、少しだけデジタルから距離をとってみましょう。
「海まで行くのはちょっと大変……」という方には、ぜひお庭での焚き火をおすすめしたいと思います。
本日は「火のある暮らし」入門編として、初級・中級・上級の3段階に分けて、私自身が使っている焚き火道具をご紹介します。
初級編:安心設備のあるキャンプ場で焚き火デビュー
焚き火をしてみたいけれど、都会のマンション暮らしでは難しい……
そんな方にとって、ベランダで火を扱うのは現実的ではないかもしれません。
そういうときは、思い切ってキャンプ場へ出向いてしまうのが近道です。
キャンプ場にはソロキャンパーも多く、仲間と来ている方々もいます。
もし着火に困ることがあっても、火の扱いに慣れた人が近くにいることが多いので、思いきって声をかけてみるのもひとつの手です。
設備が整った場所で、先輩キャンパーたちの焚き火の様子を観察しながら学べるのは、初心者にとって非常にありがたい環境です。
最初の目標は、焚き火でお湯を沸かし、コーヒーやお茶を淹れて楽しむこと。
この段階では、日中に活動するのが基本です。いきなり人里離れた場所や、深夜のキャンプに挑戦するのは避けたほうが安全です。
火と親しむ第一歩としては、これくらいの環境と距離感がちょうどいいと思います。
中級編:Tabストーブ缶で焚き火料理に挑戦
引き続き、設備や人が整った安心・安全なキャンプ場で、今度は「Tabストーブ缶SE」を使って焚き火料理に挑戦してみましょう。
このストーブ缶SEは、二次燃焼構造を備えているのが最大の特長。煙が少なく、火の調整もしやすいため、焚き火料理との相性が抜群です。
コンパクトながら安定感があり、火力も程よく、湯を沸かすのはもちろん、ちょっとした焼き物や煮込み料理にもチャレンジできます。
火を「眺めるだけ」から「使いこなす」へと、焚き火との付き合い方が一歩進む段階です。
番外編:二次燃焼ってなに?
「やったー! にじねんが出た! わぁ、きれいやなぁ!」
──なんのこと?と思った方も多いかもしれません。
ここで言う「にじねん」とは、「二次燃焼」のこと。大阪ではマクドナルドを「マクド」、ファミリーマートを「ファミマ」と呼びますよね。
その感覚で、「二次燃焼」を「にじねん」と呼んでいるわけです。
では、「一次燃焼」と「二次燃焼」は何が違うのでしょうか?
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一次燃焼:薪や炭が燃えるときに発生する炎と煙。燃焼が不完全で、煙や臭いが出やすい。
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二次燃焼:一次燃焼で出た未燃焼ガスを、ストーブ内で再燃焼させるしくみ。煙や臭いが大幅に軽減され、効率よく燃える。
つまり、「にじねん」が出る=炎がとてもきれいで、煙が少ない状態ということ。
これを意識して火を育てていくと、焚き火の質がぐっと上がります。
ストーブ缶SEは、この「にじねん」が起きやすい設計になっているため、初心者でも自然とクリーンな燃焼に導かれます。
上級編:庭や郊外で、自分だけの焚き火時間を確保する
火との時間を、自分のライフスタイルに本格的に取り入れるなら、そろそろ「自分だけの場所」を確保したくなる頃です。
庭での焚き火、小さな敷地のある宿泊施設、あるいはプチ田舎暮らしや二拠点生活。
自分のペースで、誰にも急かされることなく、炎と向き合える空間。
それは、想像以上に豊かで静かな時間をもたらしてくれます。
このブログを運営している私は、40代にして初めて、慣れ親しんだ都会の暮らしを離れました。
“本気の田舎暮らし”にはまだほど遠いものの、焚き火料理が不自由なくできるだけでも、昔は火のつけ方すらわからなかった自分には誇らしい進歩です。
今は、自分にぴったりのほどよい不便さと、自然のある生活を楽しんでいます。
焚き火に使う材料は、近所の裏山や道端に落ちている枝や葉っぱたち。
薪を購入することは、実のところほとんどありません。
特に、12月・1月・2月の3か月は、この地域がいちばん冷え込む時期であり、庭キャンプの絶好の季節でもあります。
この3か月のために一年を頑張っている、と言っても言いすぎではありません。
時間が少しでもできたら、焚き火をして、焚き火料理をして、静かに過ごす。
しっかりと燃焼したあとの炭が良質で、一酸化炭素のリスクが低ければ、屋内に持ち込んで“いろり”として再利用することもあります。
焚き火は、ただの趣味ではなく、暮らしそのものを温めてくれる存在なのだと、ここでの生活を通じて実感しています。
Tabストーブ缶SEが生まれた大阪の町工場の実力
「Tabストーブ缶SE」を製造しているのは、大阪にある田中文金属製作所。昭和27年創業の老舗で、長年にわたり金属加工の技術を磨き続けてきました。
この製品にも、精密なパーツ構造、歪みのない仕上がり、無駄のないデザインといった、町工場ならではの技術力が詰まっています。
シンプルに見えて、実は奥深い。安心して火を扱えるのは、こうした背景があってこそです。
炎が調整しやすいことが第一条件。私は絶対の安全性を重視します
焚き火道具を選ぶ際、私が一番重視しているのは「火をコントロールできるかどうか」です。
例え上級者であっても、火の粉が飛んで他に燃え移らないかは常に気を配らなければなりません。
90歳の農家さんが「野焼きは毎回が初めてのつもりでやってる」と言っていたのが印象に残っています。
中年になって焚き火を始めた私たちは、火の扱いに関してはディスアドバンテージがあるとも言えます。
農家さんは子どもの頃から火に慣れていますからね。そのギャップを埋めるには、性能の良い機器の力が必要です。
このストーブ缶は、炎が必要以上に広がらず、火力が一定に保ちやすい構造です。
二次燃焼の仕組みにより空気の流れが自然に生まれ、煙や臭いも少なくなります。
燃焼効率が良く、不完全燃焼によるニオイ残りや煤汚れも抑えられます。
火をつけやすく、消しやすい。その安心感が、日常使いを支えてくれます。
炎の扱いに間違いはあってはならない
火は、美しさと危険性が紙一重。
だからこそ、初心者であっても、ベテランであっても、炎が大きくなって怖くならないような設計であることが絶対条件です。
風が強い日でも安定して使用でき、炎が暴れることもありません。
また、すべてのパーツが分解・洗浄可能なので、使い終わった後のメンテナンスも容易。
清潔な状態を保ちやすく、長く付き合える一台です。
第二の基準は、見た目が良いこと
焚き火台というと、無骨で男前なギアを思い浮かべるかもしれませんが、このストーブ缶には不思議と愛着が湧くフォルムがあります。
ステンレスの質感、円筒型のシンプルな形、小さな脚付きの安定感。
実用性だけでなく、どこか生活に馴染む美しさがあり、焚き火をしていないときでもつい眺めてしまう道具です。
上級者向けには、これもおすすめ:フレイムストーブBIGMAX
より迫力のある焚き火を楽しみたい方には、Field to Summit「フレイムストーブBIGMAX」もおすすめです。
直径45cmと大型で、二次燃焼構造を備えた焚き火台。以下のような方に向いています。
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ソロストーブの迫力は魅力的だが価格がネック
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海外製よりも日本製を選びたい
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自宅の庭で焚き火を思いきり楽しみたい
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枝木をそのまま放り込んで燃やしたい
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灰の処理が楽な焚き火台を探している
このストーブも国産メーカーのステンレス製。焚き火の迫力とメンテナンス性を両立させた優秀な一台です。
詳しくはこちらの記事でご紹介しています。(クリックすると記事へ移動します)
まとめ
火のある暮らしを始めたい方にとって、最初の一歩は「安全性と信頼性のある道具選び」です。
田中文金属のTabストーブ缶SEは、まさにその条件を満たした名品。小さな炎の楽しさと扱いやすさを兼ね備えた一台です。
そして火との関係をもっと深めたい方には、BIGMAXのような大型の焚き火台も選択肢に入ってきます。
ライフスタイルや場所に合わせて、無理なく火のある時間を日常に取り入れてみてください。
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