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心療内科医が、自分の外来の血液検査から書いた1冊です。気分の落ち込みや集中力の低下を、性格でも気力でもなく、脳の材料が足りているかという問いに置き換えます。
書いた方
姫野友美医師。心療内科医、医学博士。東京医科歯科大学を卒業し、東京都品川区のひめのともみクリニック院長。日本薬科大学漢方薬学科教授。
消費と、補充は別のことです
気分の上下も、判断の速さも、脳の神経伝達物質の働きで決まる。本書は、その一文から始まります。
セロトニンをハッピーホルモン、ドーパミンを快感ホルモン・期待感ホルモン、ノルアドレナリンを緊張ホルモンと呼び、GABAは脳神経細胞の興奮を鎮静する物質だと紹介されています。
4つとも、緊張の続く仕事で消費されます。問題はその先です。消費された分は、原料が体に入ってこなければ作れません。姫野医師は、合成の過程で必要なのは酵素と補酵素と補因子であり、酵素はアミノ酸、補酵素はビタミン、補因子はミネラルだと書いています。
横になって目を閉じても、原料は増えません。
外来の血液検査から出た数字
本書でいちばん強い数字が、第1章にあります。心療内科に来られた方の血液検査で栄養状態を調べたところ、99パーセントは栄養不足に陥っていた、というものです。
姫野医師は、脳の栄養でとくに重要なのはアミノ酸だと書いています。脳がエネルギーとして燃やすのはブドウ糖だが、脳そのものはタンパク質と脂質でできており、神経伝達物質もタンパク質が分解されてできるアミノ酸から作られる、と。
足りないものは、症状の形で先に出ます
本書の第2章は、症状のチェックリストを5つ並べています。鉄、ビタミンB群、タンパク質、カルシウム、そして血糖の上下です。
鉄が足りていないときの形として挙がっているのが、寝起きが悪い、注意力の低下、シャンプーのとき髪が抜けやすい、ささいなことが気になる、立ちくらみやめまいがする、といった項目。
ビタミンB群では、好きなことでもやる気が起きない、寝ても疲れがとれない、口内炎や口角炎ができやすい、本や新聞を読んでも頭に入ってこない。
タンパク質では、思考力が低下した、会議など話の流れがわからなくなる、同じことを何度も話していると指摘された、一つのことを片づけるのに以前より時間がかかるようになった。
どれも、検査値より先に、日常の形で出てきます。
健康診断では測らない項目があります
「異常なし」と言われた方の疲れが戻らないままになる。この食い違いに、本書は1つの答えを置いています。
姫野医師は、一般的な貧血検査の落とし穴を挙げています。フェリチンとは鉄を蓄えるタンパク質のことで、血清フェリチンの値で体内の鉄分量が推測できる。この項目は、通常の検査には入っていません。
ご自身のクリニックで治療に訪れた女性患者のうち、8割以上は鉄不足だったと書かれています。理由も添えられています。汗や尿で排泄される量が男女ともに毎月約30ミリグラム。女性はそこに生理で失う約20から30ミリグラムが上乗せされるため、男性の倍近い鉄分を毎月失っている。
野菜を食べていれば足りる、とも限りません
もう1つ、本書が挙げている事情があります。ほうれん草に含まれるビタミンやミネラルは20年前に比べて約半分。にんじんに含まれるビタミンAは3分の1。見た目や味や香りを優先して品種改良した結果だ、と書かれています。
後編について
後編では、本書の第3章と第4章を扱います。何をどれだけ、どの順番で食べるか。プロテインスコア、ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率、食べる順番、間食の選び方、サプリメントの選び方までです。
書籍情報
姫野友美『心療内科に行く前に食事を変えなさい ―疲れた心に効く食べ物・食べ方』青春出版社
免責事項
本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。本記事は書籍の紹介であり、医学的助言・治療を目的とした情報提供ではありません。書籍に書かれた内容の効果・効能を保証するものではありません。症状が続く場合は主治医にご相談ください。書籍情報(価格・在庫等)は執筆時点のものです。
